昨年五月から本年五月まで、野川から入り、祝
瓶山荘周辺での散策、登山道路の刈り払い作業、
山荘裏の「オオヤマザクラ」学術調査、そして、
慶応三年に開設したといわれる「西山新道」の探
索などに参加することが出来た。
野川は、長井市の最高峰・平岩山(一六六七メー
トル)を源に、最上川に合流するも、長井で始まり
長井で終わる川である。野川渓谷の入り口「高ヘ
グリ」から左岸に湾曲した野川は、置賜葉山大
懸岸の裏側をほぼ並行する感じで源流にたどり
着く。
山荘から桑住平までのコースは、源流の森にふ
さわしく、シダや苔に覆われた岩場、ブナやナ
ラ林、ミズバショウの群生などが、自然の織りな
す季節ごとの新たな粧いとともに、常に新鮮な魅
力をつくり出している。この山あいに入っていると、
一木一草に豊かな恵みをもたらす光、そして影
も、風の揺らぎにみせる音色も心を和ませ、大自
然と共生しているという実感がこみ上げてくるの
である。
この情景、感動を何かに表現してみたいと思い、
山歩きしながらのスケッチではあるが、この一年
の歩みを報告書がわりに「画文集」として小冊子
にまとめてみた。
発刊にあたっては、長井山岳会、長井創画会、
長井ギャラリー十字路会員、さわ書房の椎名さん
など多くの友人からご助言をいただいたことに感
謝とお礼を申し上げたい。
鈴 木 秀 昭
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